episodeⅠ

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「ネオ、街に爆弾を設置したという脅迫の手紙がアメリカ合衆国議会議事堂に送られてきたとの連絡が来ました。まだ犯行グループの潜伏場所は分かりませんが、念のためすぐに出られるように準備をしていただけませんか?」 それを聞き冷静に「分かったどこで待機していれば良い?そちらにすぐに向かう」 マスター、コーヒー美味しかったよ、とひとこと言い店を出た。  デバイスの情報通りに向かっている最中に突然ドーーーン!!と大きな爆発音が響き一瞬の沈黙の後、辺りが騒ぎ始めた。 ニューヨークの巨大ビルがゆっくりと傾いていく。 どうやら本当だったようだなと思い、仕方なく屋外モニターを観ると現場は辺り一面、粉塵が舞い、半径1キロから先に進めない状態が中継で映っている。 そのすぐ後にモニターが突然切れ、再びついた時には黒い覆面を被った男たちが映っていた。 不気味な雰囲気が漂う男たちは毒々しい口調で「我々の目的はこのアメリカの政治を正すことだ。今から我々の言うことを聞き入れないのであれば、今以上の爆薬を使ってこの街を爆破していく!ただちに国のトップと連盟議会のメンバーをここ、ニューヨークに集め我々と対等な立場で議論を行ってもらう!」  武力会議という訳か。何の罪もない人達を巻き込んで強硬手段に出て“対等な立場で議論”か。  しかも、武力会議をするにしても自分達がワシントンに行って提議するのではなく国会議員たちを自分達の居るニューヨークに来させるのは相当傲慢な態度だ。  ネオはデバイスでテロ組織の場所を調べている部下に連絡をした。  「どうだ?場所は分かりそうか?」  「もう少し時間があれば何とか・・・」  「分かったこちらでも探してみる」  ネオは短くそう言うと耳を澄ませ半径100キロの音を聞き分ける。普段は負担が大きいため聴力を抑えているが、集中する事で聴力をコントロールする事ができる。  人の声や足音、風の流れる音、など様々なものが聞こえる。バイクに乗ったまま街のあらゆる場所から音を聞き情報を集める。そしてある会話が聞こえた。  これでこの国は変わる。  しかし本当に大丈夫か?  心配するな、こっちにはスーパーソルジャーがいるんだ。  勝利は俺たちのものだ!  スーパーソルジャーだと?このテロ組織はあのサイラスとなんらかの繋がりがあるのか?この武力会議も奴が関わっているのか、そんな思考が頭をよぎる。
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