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彼女は「ちょっとちょっと」と顔を赤らめて慌てたが、すぐに俺を受け入れて抱き返してくれた。
「ここは良くてもドレスとか料理がダメなら他にしよう」
彼女は再び「うん」と頷いてくれた。
そのあと、式場のコンシェルジュに案内してもらい、ウェディングドレスとモーニングの試着体験をした。化粧まではしなかったが、彼女はいくつもあるドレスを何着か選んで試着していた。
俺は自分の衣装についてはずっと以前から羽織袴がいいと思っていてコンシェルジュにそう伝えたのだが、「チャペル形式ならモーニングにされる方がいいかもしれません」と祝福を称えた満面の、しかし営業用の笑顔で却下されてしまった。確かにその通りだった。
(続く)
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