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どうして、アタシから離れたのか。アタシを置いて行ったのか。
「そっとしておいた方が良い」
仲間にはそう言われたが、忍者と癒し手もデキてる事は知ってるんだ。一人孤独なまま、二人が幸せそうに笑い合うのを傍観するだけの堪え性は、アタシには無かった。
かくしてアタシは旅装に身を包み、魔法を行使する為の長杖を手にして、都を去った。
心当たりのままに、情報を求めて彷徨い、やがて求める手がかりを得て辿り着いたのは、かつてアタシ達が乗り込んだ、山奥の魔竜のねぐら。
そこに、愛おしい面影を残しながらも、角と牙を持ち、翼と尻尾が生え、全身を黒い鱗に覆われた、 彼がいた。
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