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「てめえら…いい加減にしやがれ」
あ、エロわんこがキレた。
そしてなんか不思議な行動に出た。
目を閉じて、両手をゆっくり上に挙げて…バンザイ?
なんだなんだ?嫌な予感しかしないぞ。
てか…何?!…スッゴい寒気がする。
この感じ…たしか前にどこかで…
いつだっけ?そんなに昔じゃない、むしろすごく最近な気がする。
「すずな!」
お姉が刺繍くんの横から飛び出して、私を自分の背後に隠した。
はっや、さすがお姉。
私たちの目が合った…そうか、お姉も今の変な感じ、したんだ。
寒気みたいな変な感じはどんどん強くなっていく、思わず私はお姉の背中にくっついて目を閉じた。
「全員埋まっちまえ!」
剣が両手を地面に叩きつける、
その瞬間!
「やめな…さいっ!」
スパーン!と良い音がして、剣が地面にべちょっと貼り付いた。
響さんが剣の頭を叩いて止めたらしい。
昔のマンガみたいに地面に叩き付けられたその姿は、さっきまでの緊迫感を根こそぎ持っていった。
あれ?ここ笑うとこか?てか響さんて見た目より力強くない?
「痛っってぇな!何しやがるこの馬鹿力!」
頭をさすりながら涙目で起き上がる剣を見下ろしなから、響さんがビシッと言った。
「剣、あんたが悪い」
「なっ、何でだよ!そもそもこのガキが…」
「萩ちゃんに言いつけるで」
刺繍くんも参戦してきた。しかもニヤニヤしてなんだかすごく嬉しそう。
「剣が女の子のスカートの中覗いて、詫びもせんと意地悪しよった、ってな」
「なっ…おま、それ、萩は関係ねぇだろ!」
お?お?うろたえてる。てか萩ちゃん?彼女居たのかコイツ。
「おい屍、俺悪くねぇよな?」
剣はしかばねくまさんに助けを求めたけど
「…弱い者を守るのは、強い者の務めだと…私は思う」
うっわくまさんカッケーしイケボで素敵、
てか結局全員私の味方やん。
わんこ可哀想に、あたま叩かれて味方が居なくて最後の砦が崩れて、さすがにちょっとしょげてる?
ん~……さすがにこれは気の毒になってきた…かも。
目の前のお姉からも、力を抜いたのが伝わってきた。
仕方ない、ここは余裕の私が大人対応でいくか。
「あんた、彼女居たんだ」
ちょっとだけ、話題を変えてあげる。
すっかり毒気を抜かれた剣が、気の抜けた声で答えた
「あ?萩のことか?俺の女房がなんだ?」
は?なんつった?女房…って
「あんた結婚してんの?!私より年下なのに?!」
「誰がガキより年下だ!俺は21だ!」
えええええ?!ショタ枠じゃ無いじゃん、でも絶対ショタじゃん!いやもう色々おかしいじゃんかー!
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