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この際だから、剣に奥さんのことがっつり聞いてみた。
そしたらも~~~ね、うるせぇだのクソガキだの関係ねぇだの、話になりゃしない。
も~ヤダあたしゃ疲れたよ、お姉んトコ行く。
「お姉聞いてよ~あのエロわんこ、信じらんないんだけど~…」
そう話しかけた時、お姉は刺繍くん達と真面目な顔で話をしていた。
「妖術…ですか?」
「そう、剣がやろうとしたのは妖術、俺達は妖怪やから。知っとるやろ?妖怪」
は?なんて?
さっきのバンザイわんこの事よね、妖術?それに妖怪て…。
刺繍くんの言葉に響さんが続けた。
「剣は犬神で土の術が得意なの。さっきは穴作って落とす気みたいだったから、ひっぱたいてやった」
いたずらっ子を叱るお姉さんみたいだ、響さん頼もしい。
「か弱い人間の女の子に術向けるなんて全くもう…ケガでもしたらぴえんだよ。」
使い方びみょいなそのぴえん。
でも待って、ちょっと理解が追い付かない。
えっ~とぉ…
つまりここは妖怪の世界で、ここの人達は魔法みたいなのが使えて、私達はそこに迷い込んじゃったってのか。
「この世界の人達はみんな使えるんですか?その…妖術?」
「妖怪はみんな使えるよ。あーでも屍は獣人間で妖力無いから使えない、もちろん人間もね」
人間、って聞いて思わず話に割って入った。
「人ってこの近くにも居るの?会ってみたいかも」
私に気付いて響さんと刺繍くんの視線がこっちに向いた。
そして、二人の顔が少し曇ったのを感じた…
あれ…?
「うん…居る、けど…」
…響さんなんだか歯切れ悪くない?らしくないな。
「あんまおすすめできひん…ゆ~か…」
刺繍くんも?二人で顔を見合わせて、めっちゃわかりやすい作り笑いをしてる。
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