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私は十分な距離を取って男の跡を追っていた。爆弾が起爆式ではなく時限式なら、事は一刻を争う。
≪ねえ、変な男がいるんだけど≫
一瞬でつく既読。すぐに返信が来る。
≪通報一択☆≫
≪大丈夫? 絡まれたりしてない?≫
≪大丈夫。なんか、「この町に爆弾を仕掛けた」ってぶつぶつ言ってるの≫
≪ヤバすぎ! 逃げて!≫
≪今電話できる?≫
≪電話は無理。通報しても信じてもらえないよね≫
二葉が市長に伝えてくれないだろうか。私はその可能性に賭けるしかなかった。市長からの通報とあれば、さすがに動いてくれるのではないか?
≪一花は今どこにいるの≫
こんな突拍子もない発言を疑うことなく信じてくれる。本当に、二人が友達で良かったな……
≪中央公園の≫
「つかまえた」
首筋に走る電撃に、私の意識は持っていかれた。
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