黒、だった頃

黒、だった頃 ３

さて、公園に着いたわね。
今日はオトモダチと何をして遊ぶのかしら。

「ねえ、あなたも、今日は一緒に遊ばない？」

―　え？

「いつもわたしの後ろをついて来るけれど、遊びには混ざらないから」

―　私は、だって、影だから。

「一緒に遊んでみようよ。それとも、今日も木の下で本を読むの？」

―　ああ、マイちゃんは、私にちゃんと気づいてた。

「本も面白いけれど、わたしたちのことを見てたでしょう？遊びたい時も、あったのかなって思ったの」

「うん。うん！そうなの。私、マイちゃんと、また、遊びたい」

「真っ黒なお洋服も似合うけど、きっと他の色も似合うよ」