闇夜を照らす優しい月光

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「何度か君のもとへと行くようになり、少しずつ心を開いてくれて。それが嬉しくて、貴方に会うのが待ち遠しくなるようになりました」  森村だってそうだ。睦月が来るのを楽しみにしていた。だから立花の仕事も引き受けていたのだから。 「差し入れを手渡すと口元が綻んで、それが可愛くてたまりませんでした」  本当に嬉しかったからだ。 「私は昔から女性よりも男性に惹かれる子でしてね、好きになるまであっという間でしたよ」  自分は恋愛そのものにあまり興味がなく過ごしてきたが、胸が弾むような感覚を味わったのは睦月がはじめてだった。 「俺なんかで、いいんですか?」 「俺なんかじゃありませんよ。君がいいんです」  自分を求めてくれる、それがこんなにも嬉しいことだったとは。じわじわと熱が伝わってくる。 「好きになってくれてありがとうございます」  森村と睦月の思いは同じでないかもしれない。けれどこの先を知りたい。 「私とお付き合いしてくださいますか?」 「はい。よろしくお願いします」  差し出された手を両手でつかんで頭を下げ、そして睦月を見ると目を細め口元には笑みを浮かべていた。
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