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睦月との時間は森村に充実感を与える。
幸せオーラが漏れ出ていると彼女たちがいい、土田がよかったと森村の肩を掴む。
異動は自分にとってはいい方向であったが、前の部署は忙しいようで残業が多いようだ。
意外だったのは立花だ。営業は彼女に向いていたようで、仕事が楽しいと張り切っているそうだ。
課長の鞭と飴がいい具合に作用しているらしい。
「変わるものですね」
「そういう君だってかわりましたよ」
と睦月が森村の頬へと触れた。
「俺が、ですか?」
「ええ。笑顔がでるようになりました」
それはまわりの人が優しからだ。そして恋人の存在がそうさせるのだろう。
「皆さんのお陰ですよ」
「ふふ、可愛い君を見れるのは嬉しいです」
頬に触れていた指は唇へと移り怪しい動きになる。
「社長、そういうことはプライベートな時間でお願いします」
と土田がいい、彼女たちも頷いている。
ここは職場であり、自分たち以外に人がいる。それを忘れかけるなんてどれだけ睦月に夢中なのだろうか。
そんな自分が恥ずかしく、顔が熱くなってくる。
「あぁ、そんな顔をして。森村君、社長室にいらっしゃい」
抱き寄せて連れて行こうとする睦月に、
「社長、仕事中です」
そういうと体を引き離して仕事へと戻った。
<了>
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