イマイロ

あなたは今、私が何色に見えますか？

その色は、「綺麗」でしょうか？
そうだったらいいなぁ…。

私はね、自分で自分の色を決めることができません。どういった理由なのかはよくわかっていないけれど私の色は時間と共に次々と染められていくようなのです。

それでも、あなた方はどんなときだって私を見上げては「綺麗」と言ってくれる。それがとても嬉しいのです。

だけどひとつ不思議なのが、その「綺麗」には、統一性が無いように思えること。どんなに暗くても、明るくても、雲があっても、星や太陽が輝いていなくても、それでも、それでも、あなた方の中に綺麗だと言ってくれる人が、どんなときも必ずいるのです。ただただ、染められていくだけの私を。

「綺麗」とは何でしょう？

きっと定義など無いのですね。ただ、あなた方の表情や声、瞳の輝きを見ればなんとなくその意味がわかるような気がします。そんなあなた方の色もまた、私から見ればとても「綺麗」なのですよ。どんな色であっても。

私は今、何色に染まっていますか？

もし良ければ、少しだけこちらを
見上げては頂けませんか？

そしていつものように教えて下さい、
その「綺麗」という言葉の意味や、色の名前を。