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第四章
「なぁ神林さん。嶋崎さんと面会させてくれないか?」
「それはできません。私は容疑者と面識があるので今回の捜査からは外されてるんです。」
アバクは少し考えてからこう言った。
「では、嶋崎さんのご自宅を見せてもらっても良いですか?」
「それなら大丈夫です。」
三人は嶋崎容疑者の家へと向かった。
40分ほど車を走らせ、家に到着した。
「ここが嶋崎さんの、思ってたより大きいな。」
アバクは感心するように言った。家の中に入るとアバクの想像通りの広さだった。
「広い部屋だな。」
アバクは部屋の中を見渡した。
「彼はお金にはあまり困っていませんでした。」
考えながら家の中を歩いていると、アバクは嶋崎の仕事部屋と思われる部屋のデスクで多量の睡眠薬を見つけた。日本ではあまり見なれないような、たぶん外国のものだろう。
「何この睡眠薬の量。尋常じゃないわ。」
少女はあまりの多さに目を丸くして驚いた。俺は助手のいる方を見てみると段ボールにびっしりと敷き詰められた睡眠薬を発見した。
「異常なまでの睡眠薬。しかも外国産。これは、夢現中毒だな。」
夢現中毒とはその名の通り夢現に魅入られた人のことだ。
「やっぱりそうよね。こんなにたくさんの睡眠薬を飲むわけないもの」
「ああ それにこれだけじゃ夢現には入れないはずだ」
「そういえば、彼は言っていたわ。同じ夢を何度も見るって。」
アバクは頭を掻きながら考えた。
「今回もこの手を使うしかないのか。」
アバクは嫌そうに言った。
「神林さん。嶋崎さんの髪の毛はありますか?」
「あると思いますが、いったい何故ですか?」
神林は不思議そうに聞いた。
「俺は他人の夢現を鑑賞することができる。ただし条件が2つある。その条件の一つが対象者のDNAを取り込むこと。もう一つは、まだ言わない。」
「なにか理由があるのですね。分かりました。髪の毛を用意しましょう。」
「頼む。」
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