「変化」を嫌う私

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 皆さんは「変化」は嫌いですか? 私は嫌いです。私がよく経験する「変化」というのは前にあったものが突然退化してしまうものです。その中の例にユニバーサル・スタジオ・ジャパンと深く関わりを持つものがあります。いや、その経験してきた中の8割はそれと言っても過言ではありません。 皆さんも一度は聞いたことがあり、はたまた行ったことがあるという人は少なくはないんじゃないでしょうか? そのほとんどがアトラクションや新しいものを目当てに行くことでしょう。  ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの本当の意味をご存知でしょうか?  そもそもユニバーサル・スタジオ・ジャパンは日本初のテーマパークではありません。アメリカ初のテーマパークです。アメリカにあるテーマパークを日本にも移したもしくは写したのです。何故でしょうか? 実はユニバーサル・スタジオ(ここではアメリカにおける)はテーマパークではありませんでした。  一映画会社として発足したユニバーサル・ピクチャーズ(現名称、当時は違う名前)はハリウッドに大きなスタジオを建てます。そして、そのスタジオで撮影したセットなどを取り壊すのはもったいないと考えたユニバーサル・ピクチャーズはある大胆な行動に出ます。スタジオのツアー化です。最初ユニバーサル・ピクチャーズはランチ付きのツアーをトラムに乗せるという形でお客にスタジオ内をツアーをしました。(1950年代の話です)  しかし、会社はそれだけにとどまらずこれ以上に大胆な発想を思い付いたのです。そう、スタジオのテーマパーク化です。感の鋭い人はもうここでお気付きかもしれません。そうです、これがユニバーサル・スタジオの第一歩なのです。  テーマパーク化してユニバーサル・スタジオ(厳密に言うとテーマパーク化した部分のところだけを言う)となったユニバーサル・ピクチャーズはあまりの人気さに海外進出を図ります。これで日本にユニバーサル・スタジオが来たわけなのです。  ところが、日本のユニバーサル・スタジオではアメリカほど人気が出ませんでした。なぜなら当時の若者たちは映画にそれほど関心がなかったからです。これほど素晴らしい映画の歴史を持つユニバーサル・スタジオ。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは一刻も早くその素晴らしい映画そしてその歴史の魅力を伝えなければなりませんでした。  しかし、不景気に陥ったユニバーサル・スタジオ・ジャパンは焦って、とある失態を冒します。それは「"脱"映画の世界観」です。(これを提唱した人は有名ですがあえてここではふせておきます。)ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはこのままではまずいと思った焦りがゆえに変な方向に向かってしまったのです。もちろん今まで経営してきたユニバーサル・スタジオ・ジャパンはその方針に反対しました。なぜなら、それは自明なことです。「映画の世界観」がユニバーサル・スタジオそのものでしたから。しかし、他の考えはその時出なかったのか誤った方向へと傾いていきます。  その結果、今のユニバーサル・スタジオができました。映画とは関係ないアニメ、映画とは関係ないゲームの世界。それらを取り入れたユニバーサル・スタジオ・ジャパンは集客率がどんどん上昇します。当たり前です。そもそもの世界観を破ったんですから。  しかし、その数字に目がくらんだユニバーサル・スタジオ・ジャパンは自我を忘れていきます。これがE.T.の崩壊、バック・トゥ・ザ・フューチャーの崩壊つまり既存のアトラクションを潰していくということです。アニメやゲームの世界を取り入れることはもちろん駄目です。しかし、既存のアトラクションを潰すことはもってのほか。このままではユニバーサル・スタジオ・ジャパンはユニバーサル・ピクチャーズが生み出した素晴らしい映画の歴史を踏みにじるようなテーマパークになってしまいます。いわゆるタイトル詐欺です。名前はユニバーサル・スタジオの文字を使い蓋を開けてみるとそこにあるのはアニメやゲームの世界、もちろん未だ既存のアトラクションは数個残っていますがそれも数個です、その2つはコロナで臨時休業となり、2年間以上も営業していない形です。これももう時間の問題、いや、この数個の既存のアトラクションがゼロになる日が来ればそれはもうユニバーサル・スタジオではありません(今でさえ違うが)。いっそのこと「アニメとゲームの世界詰めましたよパーク」にした方がまだマシです。  集客率が上がるならどんな手段をとってもいいという考えなのでしょうか?私はそれでは駄目だと思います。  想像してみてください。下手に言えばディズニーランドが夢の国のままでは経営が悪化するという理由で夢の国を破りミッキーの中から人間が出てくるということです。言い過ぎと思うかもしれませんが経営上の理由でコンセプトを破るという形では同じです。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンがしていることはそれと同じということになります。  「変化」それは他にも方法があります。 アニメやゲームの世界観を取り入れたが故にユニバーサル・スタジオ・ジャパンはもうなんでも屋のように何を作っても良くなりました。しかしこのままではユニバーサル・スタジオ・ジャパンはユニバーサル・スタジオではなくなります。  ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが経営のために「映画」というコンセプトから「なんとかかんとかを集めたセレクトショップ」とかいうよく分からないコンセプトに「変化」したのも他の方法があったのではないかと思います。  これを最後まで見てくださった読者には感謝しています。これを機にユニバーサル・スタジオ・ジャパンをもう一度こういった角度で見てみてください。今からでも遅くありません。これに共感を持ってくれた人には一緒にユニバーサル・スタジオ・ジャパンを映画の世界に取り戻しましょう。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンが「アニメとゲームの世界詰めましたよパーク」になる前に。
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