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思い違い
公園へ行かなくなって1ヶ月が過ぎた、公園に行ってみたくなった・・・・・今なら彼がいなくてもがっかりはしない。
もう大丈夫一人であのベンチに座って月を見よう・・・・・・彼に合う前と同じように。
仕事が終わって電車に乗って駅から公園へと向かう、いつものベンチに誰かが座っていた。
別な場所へ行こうと向きを変えた時
「こんばんわ・・・・・」
「・・・・・・」
「ずっと待ってた」
「・・・・・」
「あの次の日からずっと君が来るのを待ってた」
「ごめんなさい」
「やっと来てくれた」
「はい」
「諦めようと思ってたんだ、今夜まで今夜までって・・・・・来てよかった」
「もう来ないのかと思ってました」
「どうして?」
「お別れのキスをしたから・・・・」
「あれはそうじゃないよ」
「・・・・・」
「君があんまり綺麗でつい・・・・・ごめんね」
「・・・・・・」
「怒ったのかと思ってた・・・・・だから来なくなったのかと心配してたんだ」
「怒ってません」
「そう、よかった」
「はい」
「また来てくれるよね、待ってていい?」
「はい 待っててください」
その日からまた公園へ行った、公園で彼と月を見て季節の変化を感じた。
二人でベンチに座って月を見るのが好きな時間になった、天気が良ければ毎晩のように一緒に月を見た。
新月の日は月が見えなくなるけどそれでもベンチに座って話しをした。
彼の名前は宝生 薫・・・・・大学の研究員だった
自分の通う大学、同じ大学の人・・・・・昼間も逢う約束をした。
昼に見る彼は夜とは違っていて明るくておしゃれで素敵だった・・・・校内を一緒に歩くとみんなが挨拶をしてくる。
きっと人気者なんだ、大学へ行くことが楽しみになった。
人気者の彼は自分の特別な人。
彼が言ったんだ・・・・
「私の特別な人になってくれる?」
「特別な人?」
「そう、ほかの人とは違う特別な存在・・・・愛する人」
「俺でいいの?」
「君がいい」
「はい」
「私は?」
「あなたも僕の特別な人」
「愛する人?」
「はい」
やっと見つけた‥‥…ここで待ってなさいと言われてからずっと待っていた。
待っててよかった、やっと迎えに来てくれた・・・・・・あの時待ってなさいと言った人とは違うけど、愛する人が待っていてくれる。
いつでもどこでも待っていれば彼が来てくれる・・・・・約束すれば守ってくれる人。
愛する人がいる、愛してくれる人がいる・・・・・・幸せの愛を見つけた。
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