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何もない日々
ある日男がやって来てシスターと話をした、カメラの前に立ってほしいと言われて嫌だと言った自分にシスターは言った、18歳になったらここを出なきゃいけない、そうなったらお金が必要よ・・・・・
その為にはカメラの前に立ってお金を貯めなさいと・・・・・通帳とカードをもらってカメラの前に立った。
この場所を出て一人で暮らす日・・・・・・その日のためのお金を得るために。
学校が終わったら電車に乗ってスタジオへ行く、言われた通りにカメラの前に立つ。
街に貼られたポスターはアッという間に話題となり、張られたポスターは瞬く間に剥がされてしまう・・・・・・自分のあずかり知らないところで顔を知られ噂をされ指を指される・・・・・・
高校を卒業して18になるとこの場所にはいられない、いやでも一人暮らしが始まる・・・・・・優秀な成績のおかげで大学はすぐに決まった、シスターが自分の事のように学費の事も仕事の事も大学と交渉してくれた。
大学なんて意味はない・・・・・・それでも仕事だけの毎日よりいいと言われたから・・・・・・
今日も講義が終わったら電車でスタジオへ行く、インタビューとか取材はしないと言ってある。
誰かと話をするのは嫌だし・・・・・・聞かれても話す事は何もない。
今日の仕事が終わったらマンションへ帰る・・・・・大学と仕事の繰り返し、それが日常。
変化のない毎日が安心する、食べられるものを購入して部屋で時間が過ぎるのを待つ、何をするでもなく考えることもやりたいことも何もない日々・・・・・
いつか来る終わりの日まで・・・・・・自分の存在が消える日まで、繰り返される日常。
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