儚月の恋

逢えない夜が続く

朝起きた時晴れてるとか雨だとか、そんなことを気にした事は一度もなかった･････

雨の日が好きだ、雨のふる日は気持ちが落ち着く、そう思っていた･･････

それなのに朝起きてカーテンを開けると空を見るようになってしまった。

今日もどんよりとしている、予報は午後から雨･･･････あの次の日から雨が続いていた。

今日で3日･････理由を知りたくなるほど雨が降る。

仕事の帰りにまたこの公園で逢おうと約束したのに、月が出ないと彼には逢えない･････

大学の授業が終わってスタジオに行って撮影が終わったら雨がやんでるといいな････

そう思っていたのに今夜も雨･･････雨の日は月が見えないから彼にも逢えない。

彼は月の精なんだ･･････そう思っていた。

それほど綺麗な人だから･････あの公園に行って傘を差して待っても現れるはずがない。

約束したのに･････始めて逢いたいと思った人なのに･･････もう一度あの人の笑顔が見たい。

もう一度･･････逢って話がしたい･･････嬉しいことも楽しいことも始めて彼が教えてくれた。

このまま逢えなかったら･････悲しいことも知ってしまう。

今まで知らなかったことを彼から教えられるなんて嫌だ･･････知らなくていいことを知ってしまいそう。

逢いたい･････早く月の輝く夜が来てほしい。