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「窓口お借りしますよ。こちら全国昇竜連合 昇竜会福島のマイコール【 烈火の真 】誰かR49(国道49号)の新潟向けレポート持ってないか?」
父ちゃんはいつものように俺をパジャマに着替えさせ、寝台のベッドに寝るように言った。
もう時刻は夜の9時。今日は父ちゃんのトラックが出発する時間と俺の寝なきゃいけない時間が同じだった。
『よぉ真さんお疲れ様です。共に福島メンバーで戦国、自宅固定局からのお見送りになります。R49新潟向けレポートは一件。郡山から先は昼頃から白い魔物が現れたって話だよ、どうぞ』
「マジかよ戦国~雪降るの早いよ。まだ10月だっつーの、どーぞ」
『はい、了解。まだチラつく程度だって。けどグンザン(郡山の通称)から向こうはこれからの季節は油断なんないからな。絶対に気をつけて…あ、真さんジュニア(※子供.息子)は?どーぞ』
「はい、了解。うん、今日も一緒だ。今寝台に押し込んだけど戦国さんの声が聞こえたんでニコニコして顔出してるよ、どーぞ」
その言葉通り、俺は寝台のカーテンの隙間からちょこんと顔を出して父ちゃん達の無線を聞いていた。
戦国さんは港で時々会う大型ダンプの兄ちゃんだ。遠出する事は無くずっと港の仕事をしてる人だから、みんなから港の番人と呼ばれている。
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