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「省吾」
突然頭の上に手のひらが置かれ名前を呼ばれた。
見上げるとそこに、俺の大好きな西風のお兄ちゃんがいた。
「メシ食ったのか?父ちゃんが忙しそうだから俺と一緒に食べよう」
そう言って俺を抱き上げ、料理の見本が並ぶケースの前に連れて行ってくれる。
「省吾の父ちゃんはこういう時にすごく頼りになる人だからな、みんな待ってたんだ。さて何がいいかな?」
俺は又考え込む。例によってそんなに食欲はない。
でも、食べないと後で父ちゃんに怒られるし…
考えた末にカレーライスを指差した。きっと半分くらいしか食べられないけど…
「うん、じゃあこれにしような」
西風兄ちゃんはそれを二つ頼んで席に戻った。
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