2.護られた命

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「お父さん、省吾…」    呼び鈴を鳴らし、玄関に出て来てくれた静流の母と静流。    深々と頭を下げ、俺の父親である事を名乗る親父。どうか静流の父親に取り次いでもらうように頼みこんでいる。    ちょっと困った顔をした静流の母が中に入り、程なく玄関に戻ってきた。   「木沙さん、どうぞ。主人がお会いしたいそうです。省吾くんも」    その言葉に親父を見ると、親父はかなり厳しい顔をしたまま静流の母親に礼を言い、俺を促して家の中に入った。    靴を脱ぎながら静流の顔を見ると、ずっと泣いて居たんだろうか。目を赤くして泣きはらした様子の静流で…    今俺は、そんな静流を抱きしめてやることすら出来ない。   「省吾、早く来い」    自分を呼ぶ親父の声を急いで追った。    
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