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居間に通され静流の父親を前にした親父は、勧められたソファには座らずその隣の板の間に膝を折りいきなり土下座をした。俺も同じように従う。
「省吾の父親の木沙真治と申します。この度は本当に申し訳ありませんでした。うちのバカ息子がお嬢さんを傷物にして、半人前のガキのクセに赤ん坊までこさえてしまって、本当に申し訳ありませんでした」
俺の為に額を床にこすりつける程深々と土下座したままの親父…
胸が、激しく痛んだ。
「顔を上げて下さい。私は対等ではない相手と話はしたくありません。この件に関して、どうすることが一番うちの静流にとって最善か話し合いたいだけです」
ついさっき俺の喉元に日本刀を突きつけ、怒り狂った時とはまるで別人のように静流の父親が言う。
「どうか私とちゃんと話をする気がおありならそこにお座り下さい」
そう促され、ソファに移動する親父。俺はそのまま床に正座していた。
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