2.護られた命

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「乃条さん、これを」    突然親父が自分の胸元から何かを取り出し、テーブルの上に置いた。    細長い白木の筒…これ、ひょっとして…!!   「親父…っ!」 「匕首(あいくち)です。若い頃、俺にケンカを売ってきたバカから取り上げました」 「私とやり合うとでも?」    静流の父親が親父の前に戻る。    匕首…確かドスとかいう昔のヤクザが使った小型の刃物…!!    親父、なんでそんな物を…!!   「日本刀の収集がご趣味だと聞きました。でもそれを使わせたら、後々乃条さんの立場が悪くなりますから。俺が持参した物ならば正当防衛で済みます」 「何?」    その親父の様子を見ていると冷や汗が出てきた…すごい動機もする。抱きしめたままの静流も不安そうだ。   「自分の命を差し上げます、息子たちの子供の代わりに」    そこにいた全員が凍りついた。    親父何を…!  
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