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「ここにいる省吾は、俺の大事な女の忘れ形見です。5つの時からずっと必死に育てて来ました。その省吾のしでかした不始末は、親父である自分が責任を取るのが当たり前かと思います。乃条さんから見れば考えの浅いどうしようもないバカな息子ですが、それでもコイツが自分に授かった小さな命を必死に護ろうとしてるのはわかりますから」
俺はまたぎゅっと静流を抱いた。
「生まれて来る無垢な子どもの命と引き換えに出来るほど大した命じゃありません。けど、そんな事くらいしか自分には思いつきません。どうかそれでこいつの事を許してやっては頂けませんでしょうか」
そして立ち上がり、深々と静流の父親に頭を下げる。
今までも、ずっと俺の事を大事に護って育ててくれた俺の親父。
こんなバカ息子の事を、それでも命がけで護ろうとしてくれている。
大事な俺の親父が…!!
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