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「は〜いマコちゃん、おはよ〜!今日もいっぱい可愛いでしゅね~」
げっ!親父のヤツもう帰ってきたのか?
ちゃんと手、洗ってから真琴に触ってるんだろうな?!
俺は寝ぼけ眼のまま階下に降りていった。
親父が2日前に行った近畿方面の仕事から帰ってきたらしい。
居間では親父が真琴を抱き上げあやしていた。
「マコちゃんはほっぺぷくぷく~うーんかわいい、食べちゃおうかな~」
真琴がキャッキャッと笑う。静流によると真琴は親父が大好きだそうで。
ようやく首が据わった真琴を抱き上げる親父は、全くどこから見ても見事なジジバカ振りだ。
「おいそこのジジバカ、真琴触る前に手ェ洗ったのか?」
「洗ったわい!まったくいつもいつも人をバイキンみたいに。マコちゃんのパパは、いつも怒ってばかりでいやでしゅね~」
仕方ないだろうが!!新生児は感染に弱いんだから。親父こそもっと気を使え!!
「ごめんねお父さん、何だかベッドに寝かせるとぐずっちゃって。助かったわ」
朝食の用意をしている静流が台所から現れた。そろそろ出来るのかな。
「親父、着替えて来いよ」
俺が真琴を受け取ろうと手を伸ばす、親父はじっと俺を見た。…なんだよ。
「ヤキモチ」
「はぁ!?」
「俺とマコが仲良いから省吾はヤキモチ焼いてんだ~ねーマコちゃん」
いい加減にしろ、このジジバカ!!
「とっとと着替えて来いバカ親父!!」
俺は強引に真琴を奪い取り、親父を居間から蹴り出した。
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