一ノ環・婚礼を控えて

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「ハウ……ス……トっ、っ、あッ」 「ここが好きだったな」 「ああッ」  背が仰け反って一際高い声があがりました。  肉棒の先端が私の弱いところを擦ったのです。 「あ、まって、くだ…さいっ。あ、あっ、うぅっ」  弱いところを擦られるたびに声があがる。  それは神経を直接嬲られるような強制的な快感。 「ブレイラっ」低音で名を囁かれたかと思うと、ハウストの動きも次第に激しさを増していきました。 「はっ、ああっ、んッ、……ああッ」  私はとうとう限界に達して白濁を散らす。  するとお腹にきゅうっと力が入り、彼のものを締めつけました。 「っ、いい具合だ。ブレイラ」 「あ、ああっ、うごか、ないでっ、……くだ、さいっ。ん、あッ!」  休む間も与えられずにハウストの動きが早まりました。彼も限界が近いのです。  ぎゅっとシーツを握り締めると背後からハウストの手が重ねられる。  その手が痛いほど握り締められた瞬間、奥に熱いものが迸りました。 「く、うぅっ……」  お腹の中に熱い液体が広がり、その感覚に体がびくびく震えます。 「大丈夫か?」背後からハウストに抱き締められて頬や額にたくさん口付けられました。  私が落ち着くのを待って彼のものが引き抜かれます。  抜かれていく感覚に声を漏らしながらも乱れた呼吸を整えました。 「……結局してしまうことになるなんて。明日は視察なのに」 「お前も嫌ではなかっただろう」 「そうですが……」  そういう問題でしょうか。  表情を顰めた私をハウストは軽く笑い、横になったままやんわりと抱き締めてくれました。  情事を終えたばかりの互いの体はしっとりと汗ばんでいます。それなのに裸体のまま抱き合って肌と肌を密着させている。それを互いに気持ちいいと思っているのがおかしくて、愛おしいです。 「ハウスト」  抱き締められたまま見上げると目が合い、額に口付けられました。  それが心地良くてハウストの頬に口付けのお返しをすると彼が嬉しそうに破顔します。  私も思わず笑みを浮かべると彼の逞しい胸板に頬を乗せました。  ゆったりした時間が流れる中、明日からのことを考えます。 「明日から視察ですね。少し緊張します。城から遠く離れた都へ行くのは初めてなので」 「そうだったか。西都は山に囲まれた良い都だぞ」 「はい、フェリクトール様からお預かりした地図で確認しました。西都の近くの山には大瀑布があるとか。有名なんですよね」 「ああ、西都についたら案内しよう」 「いいんですか?!」  ぱっと表情を明るくするとハウストが優しく目を細めて笑ってくれます。 「とても美しい大瀑布だ。お前にも見せてやりたい」 「ありがとうございます! でも本当にいいんですか? 視察があるのに……」 「ずっと政務で忙殺されるわけじゃないからな。お前と出掛ける時間くらいある」 「嬉しいです! ふふ、観光みたいですね。楽しみです」  初めての視察旅行で緊張していましたがハウストとの思わぬ約束に嬉しくなります。  イスラも初めての大瀑布を見たらきっと驚いて、そしておおはしゃぎするかもしれません。  イスラの喜ぶ姿を想像すると私の頬も緩みます。  でも……。
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