サラとマリ

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サラとマリ

 サラとマリは、社会人語学学校で知り合った友人同士だ。出会った日に、茶色がかった惜しい金髪が同じだったことで話が弾み、仲良くなった。  ある年、クリスマスイブの街角で、二人は待ちぼうけを食らっていた。 「遅いね、みんな。」 「うん……。ちょっと連絡してみる?」 「うーん。でもさ、元々の約束が『イブにひとりぼっちが決まったやつが集まる!』だったじゃない?」 「え、ちょっと待って。  確かにそうだけど、それからいくと、結局ぼっちは私達だけってこと?」 「……まあ、認めたくない現実だけどね。」  二人は顔を見合せた。  マリが言った。 「えっと……。  うち、ここから近いんだけど、せっかくだから寄っていく?」 「え、いいの?」 「いいよ。  掃除してないけどね。」 「ははは、うちもだわ。」 「女同士って、こういうとき気楽だよね。」  そんな流れで、サラはマリの部屋にはじめてお邪魔することになった。
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