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「いいね〜いいね〜いい推理だね!最初に仮説を立て、考察し矛盾に気付いて更にこ仮説を立てて推理する。素晴らしい!でも、でもだからこそ、俺の推理と少し違う所がおしいと思ってしまうよ。」
轟は、ニコニコした様子で教卓に肘をかけ手を顎にし微妙に格好つけながら彼女に言い、あたりを見渡した。生徒のほぼ過半数は疑問の表情を浮かべていたがそれでも何人かは既にその推理の矛盾を見つけたようだった。
(Dクラスにしてはいい出来か。)
そう判断付けた。
「具体的にはどこが違ったんですか?」
自分の推理を否定された委員長が質問した。しかし先程までの自信はなく不安な表情が見てとれた。
「そうだね、じゃあまず青年が他国から依頼を受けた間者だったとしてなぜ外国人は殺したのかな?青年が外国人を知っているのはわかる。でもそれは外国人が青年を知っている理由にはならないよね。それに間者ってことも踏まえても矛盾じゃない?」
轟はここでニヤッと一旦話をやめ息を整え、また話し始めた。
「そうなってくると、あれれれ?おかしいなあ、君の推理で言うところの外国人はどうやって気づいて殺したのかな?彼が何者かわからないのに。」
それを聞いた委員長は煽られていると思い勢いよく立ち上がり反論しようと思った。、が轟の言い分に反論できるところがないのに気づき立ち尽くしていた。
「ああ、すまない委員長。きみを煽ったわけではないんだよ。昔からの悪い癖でね、どうしても推理するときはこうなってしまう。とは言えすまないが座りたまえ、まだ僕の推理は終わってないんだからね。」
そう言われ彼女は静かに座って行った。クラスメイトは何も声をかけない。これがこの学園では普通なのだ。
「ええと、おかしいことはみんなわかったと思うから次行くけどさっきので外国人の殺す理由ができないことになったのはわかる?よね。そしたらまたまたおかしいね例文では殺したことになっている。これは真実だ。ってことは前提条件が違う可能性が出てきたね。よしっここで一旦外国人を要人、青年を間者って言う仮定をとって考えてみよう。まあ最初に戻ったわけだがな。ここで注目してほしいのは委員長の推理でも出てきた『今日は一人何だぁ』というセリフだね。このセリフをきくと委員長の推理のように外国人を監視しているように聞こえる。けど何回も言うけどそれはさっきの矛盾で完全にん無くなったよね。ってことは前に外国人に青年はあったことがある、それも一人ではない。とまあこんな感じの推理が簡単に立てられるよね。」
(話なげ〜。マジ眠い、でもここで寝たら成績落ちて怒られるしな〜。っていうかこんなの誰でも気づくよ普通。さすがDってことかなぁ)
轟がイキイキと推理を喋っている中、鈍間は机に額をぶつけそうになりながらどうでもいいことを考えていた。
「んじゃあ前に青年が外国人と会っていたと仮定した時に誰と外国人はいたのかと言う謎は以外にも簡単に解けるよね。だってわざわざ、、、、、鈍間、僕の授業はそんなに退屈かな?眠そうだね。ううん、じゃあ眠気覚ましにこの僕の推理を最後まで埋めてくれるかな?」
今まで気持ちよく語っていたところを眠りそうな鈍間を見て頭にくるものがあったのか自分の推理を完成させてみろっと轟は言った。
「はぁぁぁい」
そう言った鈍間は遅く、それは遅く椅子を弾き、なまけもののように立ち上がりなめくじのようなスピードでまた椅子を入れた。ここまでにかかった時間なんと7分。これをやられた方は相当頭にきます!
「ガーいーこークージーんーとー、いっーしょーにーいーたーのーはー、がーいーこーくーじーんーのー」
「轟先生!こんな遅いやつに聞いても時間の無駄だ!それにどうせわかってないに決まってるしな!ハッハッハ。なんで俺が代わりに埋めてやんよ。いいでしょ轟先生。」
鈍間の発言を遮って先生にタメ口で鈍間を侮辱ししまいには自分が先生の推理をうめるてやるっと言ったのは学年一の柄の悪い男、五十嵐 剛だった。侮辱された張本人は既にせきに座っていた。いつ席に着いたかは誰もみてなかった。しかしその速さは鈍間と言う名前には似合わなかったとだけ言っておこう。
「ふむ、そうだね。確かに遅い推理など意味がない。いいよ五十嵐くん君がやって見たまえ」
そういうとすぐに五十嵐は喋り始めた。
「ッハ、外国人が一緒にいたやつってのは考えられるやつは一人しかいねえ。例文に外国人は左手の薬指に手袋の上から指輪をしていたと書かれているってことは妻が一緒にいたやつに違いねえ。少なくともこの例文からはそう読み取れるよな。んで今回は一人ってことは妻が来れない事情があったわけだ。ここで外国人が青年を殺した動機に戻るがその動機が復讐だったらどうだ。そう妻を殺された復讐とかだったら。そしたら青年が外国人を知っていても別に不思議じゃねえ、外国人が青年を知らなかった理由についてはちょうど離れていた時に殺されたってことにすりゃあ説明がつく。」
「じゃあなんで外国人は自分の奥さんがその青年に殺されたってわかったんだよ。」
クラスメイトの一人が果敢にも五十嵐に質問した。
「ああん?っちそんなの簡単だろうよ。この島に青年以外の人類はもう住んでねえからだよ!」
質問したクラスメイトはひぃっと怯え長ならもさらなる質問をした。まあそれが質問と呼べるほどできたものかと言われれば否定されるようなものだろうが。
「な、なぜそんなことがわかるんだ。それは君の憶測だろう!」
「ハッハ。別に憶測の何が悪い。推理は所詮憶測じゃねえか。それに別にただ言ってるわけじゃねえ、『僕以外の島民なんて電車て言うことなんてできないと思うけど、』っていう例文にあったこの一言なんかちょっとおかしくねえか。」
「どこがだよ!」
「ッハ、普通電車て言うことなんてできないじゃなくて、電車て言う言葉すら知らねえとかそんなふうに言うだろ。でも例文の言葉はまるで物理的に言えねえみたいな言い回しじゃねえか。ハハ、もう気づいたか。そうだよこの青年は島民全員殺してんだよ。多分外国人夫婦が前にこの島に訪ねた時はもう島民は死んでいたんだろ。そしてこの妙な言い回しに気づいた外国人は最後の今日は一人じゃないんだって言う言葉から疑いから確信に変わったんだろ。とまあ俺の推理はこんな感じだ。どうだ轟先生どっか違うとこあったか?」
と五十嵐は轟の方へ顔を向けた。
「素晴らしい!僕の推理と遜色ありませんよ。奇抜な仮定へ躊躇わずに行くことこれも推理が滞ってしまった時の対処法ですかね。奇抜な仮定は時に正解をもたらします。これには五十嵐くんのポイントをあげるしかありませんね。」
ポイント、この言葉に生徒が過剰に反応した。嫉妬、羨望、妬み色々んあ感情が生徒の間を駆け巡る。ポイント、この言葉は桜々坂学園では特別な意味を持つ。学園では学年内でA〜Dにクラスが分かれている。Aクラスに近いほど成績優秀、逆にDになるとおちこぼれと言われる。これは入学試験の成績や個人のプロフィールを総合的に判断して入学試験後クラスが決められている。しかしずっとこのまま卒業というわけではない、先生による生徒への加点、テストの成績、特別試験の順位などによってポイントは変動し総ポイント数で上のクラスに行ったり丸ごとクラスが変わったりする。ポイントの特徴はもう一つあるがそれは後程ということで。では上のクラスに行ってなんのメリットがあるのか?三城が少し言いていたかもしれないが成績1位、つまりA組でポイントが1番多かった人が上位探偵事務所への推薦権がもらえることや、A組って事だけで有名な探偵事務所や捜査一課へスカウトがくる。それだけにポイントは生徒にとって重要なものだった。
「いや〜それにしても僕は感動しましたよ。クラスメイト同士で推理に疑問をなげかけあうその行為、実にいいものです。一人では真実に辿り着けない時があります、そんな時に他人と整理していくことで見えてくるものがありますからね。」
先生感動です!みたいな顔をしている時チャイムが鳴った。もちろん終わりを示すチャイムだった。
「ちょうどいいですね。じゃあ委員長号令。」
「起立 礼 」
「「ありがとうございました。」」
生徒が礼をし轟はバイバイーと言いながら帰っていった。
「おいおい、五十嵐お前すげえな。俺なんて委員長の推理で納得してしまってたぜ。どうやったらそんなふうに推理できるんだ。」
クラスメイトの一人、真島大我が五十嵐に話しかけた。
「別にすごくねえだろ。あんなのD組じゃなかったら誰でもできることだろ。」
あんに俺はD組の実力じゃねえと言ってるようなものだが、真島は気づかなかった。真島が話かけ五十嵐が普通に受け答えしたのを見てから他のクラスメイトたちが五十嵐に話しかけようと集まってきた。しかし質問の内容は全てポイント関連ようだ。ポイントをもらった五十嵐になんとか取り入れようとしている者による醜い質問攻めは五十嵐の声によって黙ることとなる。
「うるせえな!さっきから。自分で推理できねようなやつがなんでここにいるんだ?実力ねえやつは辞めちまえよ。」
五十嵐の言葉によって教室はしんと静まり帰った。そしてまたそのことに苛立った五十嵐はチッと舌打ちを鳴らし教室をでっていった。
「あ、ちょっと待ってよー」
皆より少しだけ先に我に帰った真島は五十嵐を追いかけてった。
(確かに五十嵐の言うとうりだな。普通はこんな推理なんぞ誰でもできるってのに。まあDクラスがからな。)
珍しく人に共感していた鈍間もまた二人に続き教室から出ていった。
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