悲しい最期

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「分かりました。頑張ります」 『じゃあそういうことで。おやすみ』  それだけ言うと、先生はさっさと通話を切ってしまった。なんともあっさりとした終わり方で拍子抜けだ。だが、最後に言われた『おやすみ』の響きは反則だった。なんか、いいじゃないか。 「おやすみだって……おや、おやすみ。へへ」  スマホの画面を見ながらにやける口元を抑える。まだ自分はピンチから抜け出せていないというのに、楽観的というか単純というか。まあいい、落ち込みすぎるより絶対得だよ。 「よし。先生に除霊してもらうまで、頑張ろう。きっとなんとかなるはずだよ!」  先生と話せたということで、なんだか不思議とそんな自信に満ちた。きっと大丈夫。私はそう根拠なく思えた。  そんな簡単な問題でないことは、この後すぐに判明するのだが。
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