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一気に疲労感が増し、食事どころではなかった。今から食堂に移動するのも億劫に感じ、休憩室に並べられたお菓子をお腹に入れた。誰かが旅行のお土産を置いてくれているようだ。
お菓子を黙々と食べ、そのまま食事を終わりにした。これ以上胃が何かを受け付けそうにはなかった。
休憩時間を終えて仕事に戻ると、どこから現れたのかやはり久保さんは私の後ろを付いてきていた。案の定の展開に憂鬱が隠せない。一定距離を保ったまま監視するように見られると、気が滅入る。朝の自分はどこへ行ったんだ、と思ってしまうほど参っていた。
時折思い出したように声を掛けてくる。『みえてますよね?』質問はいつもこれだ。苛立ちを覚えながらも必死に聞こえないフリをした。
まだ山積みだった仕事をこなし、早く上がりたいと心の底から願った。家に帰りたい、何も心配なしに一人で眠りたい。こんな状態で働くなんて、やっぱり頭がおかしくなりそうだよ。
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