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時間は私を裏切ることなく進んでいく。時計を見たとき、あと少しで定時の時刻だというところまで迫っていた。だが残念ながら、やることが多く残っていたので、残業は確定のようだ。私だけではなく日勤の看護師たちはみな仕事が終わらないらしい。これはまあ珍しいことでもないので、仕方ないと現実を受け止めた。
ステーション内で、本日分のカルテ記録を行っていた。特に窒息しかけた患者の状況は詳しく記しておく必要がある。受け持ちなので当然のことだ。発見したときの状況やその後の対応など、細かく書いていく。カルテは万が一訴訟問題などになった際、大切な証拠になるのだ。
強めにキーボードを叩いていると、緑川さんが声を掛けてくれた。
「椎名さん今日は大変だったもんね、手伝えることあったら言ってねー」
「あ、ありがとうございます!」
「はあーとはいえ私も緊急入院の記録がまだなんだけどさあ」
「今日は結構荒れた日でしたね……」
「こういう日あるんだよね。暇な日との差が凄いの。中間をとってくれないかね」
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