不穏

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 ほとんどパニックなりながらも、自分も必死に動いている中、視界の隅で場違いな水色が立っていたのだけは気づいていた。白衣の医療者たちの中でただ一人、彼は病衣を着たままその場に存在し、零れ落ちそうな目でじっと私たちを見ていた。
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