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「どうしてこんなことに。ただの医療者である私に認識されたいだけで、こんなことまで出来るんでしょうか?」
『認識してほしいだけじゃなく、復讐したいのかも』
「そんな!」
藍沢先生に怒鳴っていた森さんの姿が目に浮かんだ。久保さんも死んだあと、未告知であることを知り驚いていた。森さんのように、隠していたことを恨んでいるんだろうか。
『もしそうならもちろん逆恨みもいいところなんだけど』
「彼のことを思っての未告知だったんですよ……奥さんだってあんなに悩んでて」
泣きそうになり声が震えた。何が正解か分からない中、奥さんを中心にみんなで力を合わせた。本人の希望とは違ったかもしれない。でも、それでこんなことをするのはおかしい。
「私どうすればいいんでしょうか……私が視えるって、バレてしまったから。私のせいで」
『君のせいじゃない』
「無視してたのがよくないのかも。でも話したところで、何が出来るわけでもないし」
『いや、何か出来るかもしれない』
そんなことを言いだしたので、目を見開いた。あまりに予想外の言葉だった。
「久保さんと話してみた方がいいんでしょうか?」
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