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真剣な声色で言ったので、また余計なことを考えてしまった。これ、絶対先生自身、過去に嫌な目に遭ってるんだろうなあ。それで私はそんなことにならないように助言してくれてるんじゃないのかな。
「……はい、わかりました」
『とりあえずそこからは出た方がいい。家に帰るなら、着いたら連絡して。部屋には入れないようにしてるんだろ?』
「はいそうです。ダッシュで帰ります。また帰ったらライン送りますね」
『色々問題はあるが、椎名さんがやることは変わりはない。とにかく無視し続けろ。これからのことは考えておく』
それだけ言い残し、先生は電話を切った。私もすぐにスマホをしまい、さっさと着替えていく。下着まで汗だくになっていて気持ち悪かった。
そのまま更衣室を飛び出し、病院も出る。特に誰かが付いてくる気配はなかった。時折道端で霊に会ったり、いつものアパートの部屋の前で泣く女の子には出会ったが、久保さんは見かけなかった。
ほぼ全力疾走で帰った自分は部屋に帰ると、もう動けないとばかりに床に寝転がった。ただ忘れないように、先生に帰宅の報告だけしておく。
「つ、か、れ、た……」
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