伝えたいこと

12/23
前へ
/273ページ
次へ
 思い返せば、いつでも彼は私を傷つけることはしなかった。ただひたすら自分が視える人間を探し出し、私を見つけたあとはついて回った。無視され続けることに悲しみを覚えたのか、やや強引に接してきたこともあったが、よほど私に話を聞いてほしかったのだろう。  そして、久保さんはそっと口を開いた――。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1757人が本棚に入れています
本棚に追加