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「でもその理由に、馬鹿正直に『死者からの伝言を伝えたいから』なんて言ってしまった。その上司のことも信頼していたみたいで」
「え……」
「当然ながら、上司は怪訝な顔をして認めなかった」
そりゃ確かにそうだろうな、と思ってしまった。私たち視える人間は、視えない人間にとっては信じがたい存在で、虚言だとか、もしくは幻覚だとか思っている人たちの方が圧倒的に多いのだ。
それを知っているから私も、両親以外にこの力を話したことはなかった。
もし働いている先輩たちに伝えたとしても、みんないい人たちとはいえ信じてもらえるかは分からないと思う。
「それで諦めたんですかその人」
「勝手に家族と連絡とるわけにはいかないから、何とか上手くいく方法はないかとずっと悩んでたらしい。そう思うと、今回の件は上手く行った方だな、久保さんもよく考えたもんだ」
「まあ、確かに、誰にも怪しまれず久保さんの言葉を伝えることができましたけど。
というか先生、その看護師さんと親しかったんですか?」
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