あなたの笑顔

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 そんなの、もう告白しちゃってるようなもんじゃないか!!  気づいて顔がぶわっと熱くなる。しまった、つい口から本音が出てしまった。まだ告白するつもりなんてまるでないのに。慌てふためき、どう誤魔化そうか焦っていると、当の本人は小さく首を傾げて言った。 「椎名さんは本当誰にでも懐くというか。人間としては凄いと思うが、霊に好かれる原因だとは思う。気を付けた方がいい」  そう飄々というと、何も考えて無さそうにお茶を飲んだ。あれこいつ、さては結構鈍感野郎か? 会えなくなるのが嫌だ、なんて、普通ほぼ告白だろうが! 誰にでもそんなことを言うと思っているのか。  モヤモヤした気持ちが残った。そりゃ好意を気づかれたくはないけど、かといってこうもスルーされるのも問題な気がする。 「なに不機嫌になってんの?」 「え? なってませんよ別に」 「いや頬膨らんでるじゃん」 「ほうれい線を伸ばしてるんですよ! まあ、先生が辞めないって言うならよかったです! 今後もよろしくお願いします!」
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