あなたの笑顔

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「言っておくが霊と関わるのは駄目だよ、今回はいい終わりになったけど、前回の体験を忘れたわけじゃないだろ。可哀想に思えてもろくな人間じゃないこともある」 「はい、分かっています。明日からはまた無視の日々です」 「うん、分かってるならいい。  お茶も頂いたし俺は帰る。上がらせてもらって悪かった」  マグカップを置いて先生が立ち上がる。ほんの少ししか滞在していないのでもうちょっとぐらい、と思ったが引き留めるのもおかしい。私は素直にうなずいて一緒に立ち上がる。  だが一つ思い出して、先生に質問した。 「先生! 過去に色々あったから女性とかを遠ざけてるって分かりましたけど……これからどうなるんですか?」 「変わらないだろうね。結局あの一件以来、女性に対しての恐怖心が凄いし、晴子が成仏したからと言ってすぐに克服できるもんじゃない。一生変わらないかもな」 「そうですか……」
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