1748人が本棚に入れています
本棚に追加
低い声でそう言った。山中さんはじっとこちらを見ていた。
そのまま沈黙が流れる。私はされるがまま立ち尽くしていた。どれほど時間が経ったのか、しばらくして先生がようやく私の口から手を離した。そして、そのまま後ずさるように二人で下がる。
山中さんはその様子をじっと見ていた。消えることはなかった。ただ、私たち二人の様子を眺めながら、どこか悲し気な目をしたのがあまりに印象的で。恐怖心より、言いようのない胸の痛みを覚えてしまった。
最初のコメントを投稿しよう!