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「山中さん、私を指さして、見てほしいって言ったんです。何か伝えたいことがあるんじゃないでしょうか。それに気づいてあげられたら、無理に消さなくても自分で消えてくれるんじゃ……」
私がそういうと、先生はゆっくりと眉間に皺を寄せた。その様子があまりに威圧感があり、つい萎縮する。忘れてたけど、元々笑わないし厳しい表情をしているこの先生がちょっと怖いのだ。
「だからさ、俺の話聞いてたよね? 霊に深入りしない。この力を誰にも言わない。その二つだけだ、なぜ守れない?」
「一つは守ってますよ、先生以外はこの力知らないですもん」
「二個とも守れよ」
「深入りするつもりはないですよ? ただ、あんなにいい人だった山中さんが彷徨ってるの悲しいから、力になれないかなあ、って」
「それを深入りと呼ばずになんと呼ぶ?」
苛立ったように腕を組んで私を見る。職員室で叱られる子供のように背筋を伸ばして立っているが、こちらにも引けないこともある。怯えながらも、私は続けた。
「見てほしいって何だと思います? わざわざ私を指さしたんですよ?」
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