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「全然だめだ。誰か分かりそうな人とかいないかな」
そう考えたとき、思い浮かぶのはたった一人しかいない。なぜなら、誰かにこれを見るときに状況を説明しないと駄目だろう。『亡くなった患者さんに導かれて手に入れたメモ』だなんて、言えるはずがない。何も情報なしでこの図を見せても、みんな首を傾げるだけだろうから。
大きくため息をついた。
「いやいや……先生に言えるわけないよなあ」
あれだけ霊に関わるな、と言われたのに結局こんなもの見つけちゃったし。そもそも、あの先生に相談できるタイミングなんてあるわけない。連絡先だって知らないし、仕事中はいつでも同僚が見てる。
眉を垂らし、メモをじっと見つめた。
でも、ここまでして私に託してくれたもの……どうにかして意図をくみ取ってあげたい。
そう、強く思った。
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