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休みを挟む。夜勤の後は死んだように眠り、次の日も減ったHPを回復させるために、自宅でゆっくり過ごしていた。時々あの図について考え込んでみるも、私の脳みそではまるで理解できなかった。ちなみに、あれ以降、やはり山中さんが現れることはなかった。
休みの次の日、再び病院へ出勤していた。ポケットにあのメモを忍ばせ、白衣に着替えて病棟へ急ぐ。
エレベーターを降りて職場へ足を踏み入れると、廊下に立ち尽くしている男性が目に入った。山中さんだ。またここに戻ってきていたらしい。一瞬ぎょっとしてしまうが、気づかないふりをしてステーションの中に入っていった。
「おはようございます」
挨拶をすると、中に藍沢先生がいるのが目に入った。隅に置かれたパソコンの前で足を組んで座り、ちらりともこちらを見ないままカルテを閲覧している。反射的にポケットに入れたメモを触った。
ダメダメ、先生に相談は出来ないってば。自分で何とかするしかない。
とりあえず荷物をロッカーに入れてすぐに働き出す。今はとにかく仕事に集中するしかないので、山中さんの存在も気にせずに必死に業務にあたった。
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