見てほしいもの

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 正直に言うと、先生は眉をひそめた。うう、あの顔怖くて苦手なんだよね。でもそんなことも言ってられないので、私は続けた。 「夜勤終わり、家にいたら、玄関の前まで」 「中には」 「あ、私の部屋は入られないようお札とか置いてあるので、中には入れなかったんじゃないかと」 「ふうん、そういうところはちゃんとしてるんだ」 「は、ってなんですか、はって」 「それで? 家にまでついて行ったのに、なぜすぐ戻ってきたんだ? 家の中に入れなかったから諦めたとでも?」  私はポケットから例の紙を取り出した。先生の元へ数段降り、それを差し出してみる。彼は不思議そうにそれを見た。 「なに、これ」 「あの……この用紙、ペンの中から見つかりました」 「何?」 「覚えてますか、先生の車に乗った日落としたペンです。思えば一本だけ持ってたのは不思議なんです。私いつもペンは数本ポケットに入れて、着替えるときにロッカーに入れて帰るから。間違えて持ち帰るとしたら、数本あるはず。でも、あの日はこれだけ鞄に入ってた」 「……」
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