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「てゆうか、君に宛てるメモなんだから、君に分かるような物しか書いてないと思う。そうなると、答えは決まってくるだろう」
「ということはですよ? 床頭台に何かある、ってことですか?」
私は指さして先生に見せた。そう、赤色で〇が書かれているのは床頭台の部分だ。ここに注目しろと、山中さんは言っているのだ。
先生はやや嫌そうにうなずいた。
「そういうことじゃない?」
「でも、荷物はとっくに弟さんに全部渡してるし、山中さんの後も違う患者さんが入ってます。今更見ても何もないんじゃ」
「普通の人には気づかれないものがあるんじゃないのか」
「……そうなのかな」
赤い丸印を見つめる。一体何が、どうやって。そして、なぜ私に?
私は決意し、顔を上げた。
「ちょっと見てみます! もしかしたら、何か山中さんが残したものがあるのかも」
先生は驚かなかった。無表情のまま私を見、そしていう。
「まあ、ここまで来たならそういうと思ったけど」
「はい!」
「一つだけ。
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