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床頭台は明るい茶色をしている。上に荷物を入れる大きめなスペース、その下は小さいがテレビがある。さらにその下に、また収納スペースだ。
私はまず一番上の部分の扉を開けてみる。もちろん、空だ。次に下。そこもやはりというか、空だ。まあ、少し前までほかの患者が入院していたのだから当然のこと。忘れ物がないように毎回スタッフも確認するし。
それでも、中に頭を入れて細かな部分まで観察してみる。でもおかしいところは何一つない。
うーん、テレビの裏とか。
私は少し位置をずらして覗き込んでみる。やはりない。まあ、ちゃんと掃除もするしなあ。なんかあれば気づくはず。
ともすれば、一つだ。床頭台自体の裏。
壁にぴったりくっついている床頭台は、キャスターが付いているが動かすことはあまりない。家具のようなものなのだ。私は脚のロックを解除し、ゆっくり引いてみた。
裏を見てみると、少し埃がついていたが、思ったより綺麗だ。じっとそこを観察し、視線を上に持ち上げた。
一番上部の端っこ。そこに、何か小さなものが貼り付けてあることに気づく。その瞬間、自分の中で興奮度が高まった。
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