化けたディナー

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 一方、その後ろの作成室では、二人の職員が、白い物体を『形成システム』に入れた。  が、この白い物体の正体は〝食べられるゴミ〞だった。  つまり、元々はゴミだった物を、別のシステムで食べられるまでに精製した物だったのだ。  これはレンジ風のボックスで、中に入った物体に、八方から特殊なコピー液をかけ続ける。  これは三色の特殊なシャワーで、このシャワーが、ある食材とソックリになるよう、染めつつ形成していくのだ。  次に、もう一人の職員が、その物体を『味付けシステム』に入れる。  これもレンジ風のボックスで、中に入った物体を回転させながら、八方から特殊なシャワーをかけて染め上げる。  すると物体の中心まで、その食材の味が付いた、見事なディナーに仕上がることになる。  システムから『完了』表示が出ると、その物体を職員は取り出す。 「よし上出来だ」 「どう見ても〝本物〞ですね」  更に別のシステムで形成された食材の上に乗せると、ドアの前で待機しているウェイトレスに渡すことになる。
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