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第二章
ユウキには小さい頃から他人には見えない物がよく見えた。
両親と道を歩いていて、前から来た人を避けたら、何してるの?と両親に聞かれる。
正直に答えると両親に怒られた。
決まって「そんな人はいない。気のせいだ」と。
教室で、クラスメイトの背後でふわふわ浮いている人と話していて気味悪がられる。
先生の肩に乗っている赤ちゃんの話をしたら、その先生に酷く否定された。
悔しかったので、片っ端から見えるものを言ったら、逆上され、翌日両親が呼ばれて両親からも怒られた。
そんな調子でクラスの誰も、ユウキに寄り付かなくなっていた。
きみ悪がって石を投げたり、あからさまに虐めてくる者もいた。
毎日が辛かった‥‥。
アイツらが居なかったら、自分で命を絶っていたかも知れない。
小学五年生の春だった。
マモルとサトルが転校して来た。
ユウキは彼らを見てすぐ分かった。
マモルもサトルも分かったらしく、ユウキに声をかけて来た。
彼らも同じように、特異な体質の為、人と交れず悩んでいたのだ。
ユウキのように見えはしなくとも、感じるタイプだった。
「分かんねえヤツには分かんねえんだからさ、気にすんなよ」
「俺たちがアイツら、やっつけてやるから」
どうやったのか、偶然なのか分からないが、ユウキを虐めていた連中は怪我をしたり、事故にあったり、亡くなった者もいた。
彼らにこの話をするとニヤニヤ笑ってその訳を教えてくれなかったが、ユウキは彼らに守られている気がした。
後で、サトルが呪いとか何とか言っていた。
その日から大学生一年になる今日までいつも一緒にいた。
いつもいつでも一緒だった。
ユウキが命がけで彼らを守った事もあった。
彼らとの約束は絶対に守った。
お互い彼女は作らないと言うルールまで作った事もあった。
それくらい必要な友達だった。
でもいつの頃からか、これは友情だろうかと言う疑問が頭に湧いて来るようになっていた。
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