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参入企業への説明会が開かれるホテルは完全会員制で、HP(ホームページ)等の公開情報が一切ない。
周辺の山々を含めMAP上も『私有地につき』の表示がされ会員以外はその存在を知ることが不可能なホテルだ。
僕は秘密組織に潜入する任務の様に感じて子供の様にワクワクしていた。
ほとんど車の往来がない山道に入った。
片側一車線の舗装された道路の両脇は管理が行き届いている。
暫くすると開閉式のゲートが現れ詰所から守衛が出てきた。
守衛は車に近寄り通行証の提示を求める。
僕は事前に郵送されてきた通行証を手渡し社名と名前を名乗った。
「羽島プロパティマネジメントの神崎と佐藤です。プロジェクト説明会に伺いました」
私有地の道路は所々に監視カメラが設置されていた。
事前に通行する車種とナンバーを登録しておいたからすんなり通れると思っていたら荷物検査までされた。
守衛は会員以外の立入は規則だからと少し申し訳なさそうに彼女へチラリと目を向けた(ように見えた)。
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