頭の天辺から足の爪先まで

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 崩落のこちら側にいた仲間たちは皆、蜘蛛の子を散らしたようにあちこちのトンネルへ逃げ始めました。  もうパニックに陥って、地上人が確実にいるだろうDの集落へ向かうトンネルを選んでしまった仲間もいました。 「シャンパ…どうしよう」  シャンパは私の声ではっと我に返ったようです。 「おいで、こっちだよ」  シャンパは道を把握しているのでしょうか。  迷わず、ずんずんと歩き続けます。 「どこに向かっているの…?」  尋ねても、答えてくれません。  私は必死になって後を追い続けました。  細い道を突き進み、とうとう行き止まりの様です。  シャンパは荷物を下ろし、無言で壁の土を掘り始めました。  壁の土はすぐに落ち、木製の扉が出てきました。 「シャンパ、この先には何があるの?」 「この先は…地上に出るための竪穴がある」  地上!?
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