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「ちくしょう!奴らがこんなことろまで来た!」
私達がすむ集落の長が竪穴から滑り落ちてきました。
「隣のDの集落は奴らによって捕獲され始めている!食料を持てるだけ持って、Rの区画まで逃げるぞ!」
大人たちは騒ぎ、急いで身支度を始めます。
「待って、Rの区画への連絡通路はまだ完全じゃないって…。途中崩落の危険性もあるのでしょう!」
「だが、ここにいてはいずれ捕獲されて殺される!全員避難できれば、連絡通路は埋めてしまうんだ、問題ない!まずは母親と子供たちを優先して…」
「ユーラ!ユーラ!!どこにいるの!」
狭い空間を走り回る大人たちの中から、私を呼ぶお母さんの声。
「お母さん!私はここよ!」
私はユーラ、12歳の女の子。
こんな時の為に準備してあった、持ち出し用の鞄を部屋に取りに行っていました。
「あぁ、ユーラ。長の話は聞こえたわね。奴らが…地上人が私達を捕獲しに来たの。Dの集落の地中人を全て攫ったら、絶対次は私達の集落に奴らが来る。それまでにここを離れるのよ」
「わかった。…シャンパはどこ?シャンパも一緒に行く?」
シャンパは私の幼馴染の男の子。将来私はシャンパのお嫁さんになる事が決まっています。
「えぇ、子供は皆先に避難することになっているから…探さないとね。マーシャ!マーシャ!!」
マーシャはシャンパの母親の名前。お母さんとマーシャは従妹同士です。
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