告白

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告白

数日後、大輝は男友達と談笑していた。 あ、目が合った。 ドキッとするわたし。 大輝はそんなわたしからまた男友達に視線を移し、笑い合っていた。 むぅ、わたしの気持ちも知らないで。 あれからわたしは大輝から告白されたことについて どうしたらいいのかずっと考えていた。 「あらあら、そんなに大輝くんを見つめちゃって」 親友の菜々がニヤニヤしている。 「別にそんなんじゃないし!」 菜々の言わんとすることを察して頬が赤くなる。 「意識してるんじゃないのー?」 「言ったじゃん。大輝は恋愛対象 として見たことないって。」 あの告白を思い出しドキドキしてきた。 「ほんとにー?でも大輝くんと陽葵が付き合ったらわたしは嬉しいけどね」 「……そう?」 わたしはまた大輝の方を見る。 大輝は、優しくてたまにデリカシーがないけど 自慢の幼馴染。だけど、それ以上に見たことはない。 わたしの気持ちはどうなんだろう。 大輝のこと好き? そりゃあ幼馴染としては好きだけど分からない。 もし、大輝と付き合ったらどんな感じなのかな。 って、何考えてんのわたし! わたしは手を繋いだわたしと大輝の想像を振り払うようにブンブン首を振る。 「付き合ってみて考えるっていうのもアリじゃない?」 そんなわたしを見かねたのか、菜々が助言をくれる。 !! 「なるほど、そういう手もあったか!......だけど大輝とカレカノになるっていうのが現実味がないというか。恥ずかしいというか」 すると菜々に思いっきり背中を叩かれた。 「いったっいっ!何すんの!」 「言い訳は無用!こんな感じじゃ何年も大輝くんを待たせちゃうよ!」 「えぇ、そこまではかからないでしょ」 「陽葵は考えだすと長いから有り得る」 ガーン。 「......分かったよ。今日の放課後、大輝にわたしの考えを伝える。」 すると菜々はまたニヤニヤして「どうなったか、教えてね」と言い、黒板の方を向いた。 「はい、それじゃ、ホームルーム始めるぞ」 担任の橋口透先生の声が響き、生徒たちは 自分の席に座り始めた。 うん、悩んでても仕方ないよね。 わたしは大輝と……。
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