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放課後
教室で大輝を待っていると、走っているような足音が聞こえた。
振り向くと息を切らした大輝が立っていた。
「遅れてごめん」
「走って来たの?急がなくても良かったのに」
大輝は私のすぐ側まで来ると、
「告白の返事?」と聞いてきた。
ドキッ。
まさにその通り。
わたしは頷く。
「あれから考えてみたんだけど、わたしたち」
「あーやっぱ言わないで。聞くのが怖い」
大輝が耳を塞いだ。
「ちょっと。真剣に考えたんだから聞いてよ!」
それに、
大輝にとって悪い返事じゃないと思うし。
「……分かった」
大輝は両耳から手を離しわたしを見つめた。
「わたしたち、付き合おう」
「え......?」
大輝が呆気にとられたような顔になる。
「……それって、陽葵も
俺のこと好きってこと……?」
「わたしは……実を言うと自分の気持ちが分からないの。だから付き合ってみて自分の気持ちを知りたいと思ってるの。それじゃダメかな?」
大輝はほっとしたようなでも
残念そうな表情を浮かべた。
「そっか。そりゃ、そうだよな。いきなり告られて戸惑うよな。でも俺嬉しいよ」
大輝はとろけるような笑顔を見せた。
「陽葵と付き合えるなんて夢みたいだ。」
その笑顔にドキッとさせられる。
気恥ずかしくなって俯いた。
そしたら大輝は
わたしを抱きしめた。
ひゃっ!!
「絶対俺のこと好きにさせるから」
!!?
多分わたしの顔は真っ赤になっていることだろう。
わたしは頷くことしかできなかった。
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