カレカノ

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カレカノ

翌日 「カップル成立おめでとーう!!」 菜々がニヤニヤしながらわたしたちに言った。 恥ずかしいからやめてほしい。 「ありがとな、菜々の応援のおかげだ」 ん? 「ちょっと待って、菜々の応援のおかげって菜々は大輝がわたしのこと好きって知ってたの?」 二人はあっという顔になった。 「実はそうなの。大輝くんは分かりやすいから陽葵に片思いしてるってすぐに分かった」 菜々が苦笑いを浮かべる。 「俺、そんなに分かりやすいか?」 大輝が納得いかないという顔になる。 「なら、なんでわたしに言ってくれなかったのよ〜」 「だって、陽葵は葉山先輩に片思いしてたでしょ?言えるわけないじゃん」 それもそうか。 「良かったね、大輝くん」 にっこり笑う菜々は何故か悲しそうに見えた。 気のせいかな? 早速、わたしたちは放課後デートをすることになった。 「どこに行きたい?」 そう言われて困ってしまった。 だって生まれてから一度も放課後デートどころか デートしたことが無かったのだから。 悩んだ挙句 「公園」と言ってしまった。 「公園?」 大輝が驚いたような顔になる。 「ショッピングモールとか映画館じゃなくていいのか?」 「だって、思いつかないんだもん」 頬をふくらませると大輝はアハハッと笑い 「陽葵様の仰せの通りに」 と執事みたいな口調になった。 「何その言い方」 思わず噴き出すと大輝は満足気な表情になった。 「やっぱり陽葵は笑ってた方が可愛いよ」 「……ありがと」 恥ずかしくなって俯く。 「顔赤いぞ?」 「うるさいなぁもう!」 大輝はお日様みたいな笑顔で笑った。 カッコいい。 ん?わたし今なんて思った? いや、あれは幼馴染としてカッコいいと思っただけだから! そう自分に言い聞かせ、先を行って振り返った大輝の元に急いで走っていったのだった。
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